2009 Fiscal Year Annual Research Report
PCBの甲状腺ホルモン撹乱作用機構の解明に向けた統合的研究:ヒトへの応用
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20510070
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
加藤 善久 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 教授 (90161132)
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Keywords | 甲状腺ホルモン撹乱 / サイロキシン / PCB / UDP-glucuronosyltransferase / トランスサイレチン / CB126 / 肝臓 / マウス |
Research Abstract |
今回、PCB投与による血中サイロキシン(T_4)濃度低下作用機構は、T_4の肝臓への移行量の増加に起因しているという仮説を証明するため、C57BL/6系マウス及びDBA/2系マウスに、TCDDタイプのPCB、3,3',4,4',5-pentachlorobiphenyl(CB126)を投与し、7日後に血清中総T_4、遊離T_4濃度及び肝臓のグルクロン酸抱合酵素(UDP-GT)活性を測定した。また、その時に[^<125>I]T_4を静脈内投与し、胆汁中[^<125>I]T_4のグルクロン酸抱合体の排泄量、血中からの[^<125>I]T_4のクリアランス、血中[^<125>I]T_4とトランスサイレチン(TTR)との結合率、[^<125>I]T_4の組織分布量を測定した。両マウスにCB126を投与したとき、C57BL/6系マウスでは、血清中総T_4及び遊離T_4濃度は有意に低下したが、DBA/2系マウスでは変化しなかった。肝臓のT_4-UDP-GT活性及び胆汁中[^<125>I]T_4のグルクロン酸抱合体の排泄量は、C57BL/6系マウスでは有意に増加したが、DBA/2系マウスでは変化しなかった。[^<125>I]T_4の血清クリアランス及び肝臓の[^<125>I]T_4の分布量は、C57BL/6系マウスにCB126の投与により、顕著に増加したが、DBA/2系マウスでは変化しなかった。一方、C57BL/6系マウスにCB126を投与したとき、[^<125>I]T_4の分布容積、[^<125>I]T_4の血清-肝臓間分配係数及び肝臓単位重量当たりの[^<125>I]T_4の分布量は、変化しなかったが、肝臓重量は有意に増加した。また、C57BL/6系マウスにCB126を投与することにより、[^<125>I]T_4とTTRとの結合率がわずかに増加した。以上、CB126による血清中T4濃度の低下は、肝臓のT_4-UDP-GT活性の増加及び肝肥大による肝臓へのT4の移行量の亢進によって起こることが示唆された。
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Research Products
(24 results)