Research Abstract |
椰子殻チャーにKOHを浸みこませて不活性ガス中で昇温パターンを変えることにより高表面積の活性炭を得ること(賦活)ができた。さらに,水蒸気により高温で処理することにより,表面積が3000m2/g以上,口径20mm以上の細孔の表面積が1700m2/g以上の活性炭を得ることができ,水中の不純物吸着量の大幅な向上が確かめられた。牛糞堆肥にZnCl_2を浸みこませて500℃程度で処理することにより,市販の活性炭と同等の炭化物が得られた。竹を500℃で炭化,つづいて300℃以下で空気処理する方法を最適化することにより,表面積が400m^2/g程度の炭素を調製することができた。表面積の拡大には,竹の灰分が主に寄与していることが確かめられた。活性炭表面にカルポキシル基として酸素を導入すると,重金属イオンの吸着はイオン女換で進行するのに対して,炭素表面の酸性官能基をHeガス気流中で除去した場合には,重金属イオンとグラフティト上のπ電子の分子間力により吸着がおこると推定した。また,分子間力により吸着する場合には,重金属イオンの化学種がMe^<2+>ではなく,Me(OH)^+で吸着が起こることを実験的に示すことができた。活性炭、をアンモニア処理することで,表面に窒素原子を導入すると,銅イオンの吸着能力が向上することが示された。酸性官能基が存在しない活性炭上では,水溶液中でクロロフェノールから常温常圧で,脱塩素反応が起こり,塩化水素が分離し,pHが低下することが観測された。活性炭上の官能基の影響を調べたところ,カルポキシル基,ニトロ基のような電子吸引基が存在すると脱塩素反応は進行せず,官能基が存在しないか,アミノ基のような電子供与基が存在すると反応が進行することが確認された。また,脱塩素反応は0-あるいはp-クロロフェノールでは進行するがm-クロロフェノールでは進行しないことも明らかとなった。
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