2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物の根圏土壌微生物を利用したVOCs汚染土壌浄化方法の研究
Project/Area Number |
20510073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
砂田 香矢乃 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (20311433)
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Keywords | 環境修復技術 / 土壌浄化 / 植物根圏微生物 / 植物生育阻害物質 / VOC / 混植 |
Research Abstract |
環境汚染物質を自然エネルギーや自然に本来備わっている浄化作用を利用して、分解・無害化することを目標にして、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンに代表される揮発性有機化合物(VOCs)に汚染された土壌を、植物の根圏(Rhizosphere)に棲息する微生物を利用したシステムによって浄化することを目的とした。本年度については、実際に小規模で大豆を植栽し、根が成長したと思われた時期に、VOCsの代表物質としてトリクロロエチレン(TCE)を土壌に添加し、その濃度変化を調べた。大豆が植栽されていない土壌に同様にTCEを添加した場合に比較し、わずかながら濃度減少が大きかったことから、実際に植栽した大豆の根圏に棲息するであろう微生物にTCEの分解活性があることが確認できた。さらに、その微生物の活性維持のために、栄養分を補給できるよう、アスパラガスの根から滲出することが知られている生育阻害物質3,4-dihydroxyphenyl acetic acid(3,4-DPAA)の利用を考え、大豆とアスパラガスが実際に混植できるかについて、小規模で植栽試験を行った。その結果、大豆が先に大きくなり、アスパラガスの生長が遅くなるものの、2つの植物を同時に生育させることが可能であることがわかった。しかし、アスパラガスを混植した場合としない場合でTCE分解が促進されるかについては、明確な結果は得られず、来年度の課題となった。
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