2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物の根圏土壌微生物を利用したVOCs汚染土壌浄化方法の研究
Project/Area Number |
20510073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
砂田 香矢乃 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (20311433)
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Keywords | 環境修復技術 / 土壌浄化 / 植物根圏微生物 / 植物生育阻害物質 / トルエン分解 / 混植 |
Research Abstract |
自然エネルギーや自然に本来備わっている浄化作用を利用して、環境汚染物質を分解・無害化することを目標にして、トリクロロエチレンやトルエンに代表される揮発性有機化合物(VOCs)に汚染された土壌を、植物の根圏(Rhizosphere)に棲息する微生物を利用したシステムによって浄化することを目的とした。本年度については、大豆を植栽した土壌から採取した微生物群を実験室で培養し、VOCsの代表物質としてトルエンを添加し、分解が進むかどうかを調べた。また、その微生物群の活性維持のために、アスパラガスの根から滲出することが知られている生育阻害物質3,4-dihydroxyphenyl acetic acid(3,4-DPAA)の利用を考え、培養とトルエン分解を繰り返し行い、生育阻害物質添加の効果を調べた。その結果、大豆を植栽した土壌には、トルエン分解を担う微生物が存在し、生育阻害物質を加えた群の方が、トルエン分解効果が持続することが明らかとなった。この結果は、ラボレベルだけではなく、大豆と3,4-DPAAの生育阻害物質を滲出するアスパラガスを混植した小規模の栽培土壌をトルエンで汚染した場合においても、その分解の効果が得られた。以上の結果から、表層がVOCsで汚染されている土壌に、大豆とアスパラガスを混植することによって、汚染物質が分解・無害化でき、さらにそのバイオレメディエーションの効果が混植によって、持続することが示唆され、ひとつの土壌浄化法になり得ることが期待された。
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