2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510074
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 敬雄 Niigata University, 自然科学系, 教授 (70134955)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福村 絹海 新潟大学, 自然科学系, 特任助手 (70467067)
|
Keywords | ダイオキシン類 / 光分解 / 過酸化水素 / 攪拌 / 太陽光 / クセノン光 / 水田土壌 / ゴミ焼却炉周辺土壌 |
Research Abstract |
申請者の既往研究から、水田土壌を試料とし、キセノン光あるいは水銀光と、過酸化水素(H_2O_2)とを併用して作用させると、試料中ダイオキシン類を実測濃度・等価毒性(TEQ)濃度の何れも約95%除去できる事を踏まえ、以下のa, b, cを今年度研究の3本の柱に据えた。成果は以下の通り。 a.穏和な分解条件の探求=太陽光によるダイオキシン類の高分解に成功:人工光に代え夏期(8・9月)の太陽光とH_2O_2を併用したところ(照射36時間、H_2O_2濃度1,3ないし12%、撹拌あり)、水田土壌中ダイオキシン類の実測濃度は、H_2O_2無添加であれば実験前と変わらず、H_2O_2濃度が1%以上であればその濃度に関わらず90%程度減少した。TEQ濃度は、H_2O_2濃度無添加の場合は実験前より増加した。これは太陽光による脱塩素反応により、低毒性の高塩素化ダイオキシンが高毒性の低塩素化ダイオキシンに変化したためだった。H_2O_2濃度が1%以上の場合、TEQ濃度はH_2O_2濃度の増加と共に減少し最大98%減少した。撹拌しないと、ダイオキシンの減少率は低下した。 b.既往成果の他試料への適用:環境基準を超えるダイオキシン類(1,200pg/g)で汚染された廃棄物焼却場周辺土壌を試料とし、クセノンランプを光源とし、H_2O_2濃度を3%あるいは12%に維持し、36時間照射した。その結果、実測濃度・TEQ濃度の何れも、H_2O_2濃度の増加と共に減少し、H_2O_2濃度3%で約70%、H_2O_2濃度12%で約80%減少し、環境基準値の約4分の一に減少出来た。 c.分解経路の解明:同族体組成および異性体組成の変化を詳細に検討した。 今年度研究の成果:(1)太陽光とH_2O_2の併用で水田土壌中ダイオキシンを高効率に除去できた。 (2)(1)と同じ方法で、環境基準を上回る廃棄物焼却場周辺土壌中のダイオキシン類を顕著に減少できた。
|
Research Products
(3 results)