2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510074
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 敬雄 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70134955)
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Keywords | ダイオキシン類 / 太陽光 / 過酸化水素水 / 水田土壌 / 焼却灰 / 河川底質 |
Research Abstract |
本研究では、これまで、(1)(太陽光と過酸化水素水(H_2O_2)を併用した穏和な条件を用い、水田・焼却炉周辺土壌・河川底質に蓄積したPOPs、特にダイオキシン類を完全分解する条件を明らかにし、(2)農地・人の居住地・河川海域の浄化が可能であることを示した。今年度の研究実績は、以下の通り。 1.河川底質中のダイオキシン類への適用性を検討した。即ち信濃川下流域5地点で底質を採取し、含まれるダイオキシン類の特性を明らかにし、このうち1試料について、太陽光とH_2O_2を併用して、試料中ダイオキシン類を照射時間36時間で98%除去できる事を明らかにした。 2.各試料・各反応条件ごとに試料の異性体分析を行ったところ、TEQの減少は脱塩素化により各異性体が減少していくことによって生じること、この間、毒性の強い2378体が増加し、その後、減少をたどることが分かった。 また2378体の増加に際して、ジベンゾフランに属するものの寄与が大きいことが分かった。 3.光とH_2O_2によりダイオキシン類を分解した後、再び水田土壌として使えるか検証する第一歩として、分解実験後の水田土壌4試料について、それらの土壌化学性を検討した。pHは分解実験後、若干減少するに留まった。VTSは30%程度減少した。腐植含量はVTSと同程度に減ったものが2試料、減らなかったものが2試料だった。電気伝導度は顕著に増加し、陽イオン交換容量(CEC)も20%程度増加した。 4.総じて本研究で最初に企図した環境中に蓄積したダイオキシン類を、穏和な方法でほぼ完全に分解する方法(太陽光と過酸化水素水)と条件を見いだした。
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Research Products
(3 results)