2010 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素を利用する新規"超溌水性"表面処理技術の創出
Project/Area Number |
20510075
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
吉田 絵里 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60263175)
|
Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 溌水性表面処理 / 自己組織化 / 高分子共重合体 / 光リビングラジカル重合 / 分子量制御 |
Research Abstract |
環境にやさしく、かつ手法の安全性や簡便性を確保できる溌水性表面処理技術を創出することを目的として、下記の方法の方法論にしたがって研究を行った。 (1)超溌水性を示す要件を明らかにする。 (2)溌水性表面に機能を付与する。 前年度までの研究成果から、超溌水性を示す要件として、自己組織化に用いる高分子共重合体の分子量が高度に制御する必要があることがわかった。そこで、前年度から引き続き、環境に低負荷な光リビングラジカル重合法の確立を行った。モノマーには、汎用モノマーであるメタクリル酸エステル誘導体を対象にした。このモノマーは、透明性や成形性に優れ、かつ溌水性を発現する長鎖フッ化アルキルエステルなど多くの誘導体が存在することから、幅広い応用が期待される。本年度に購入した光照射装置を用いて、光リビングラジカル重合による分子量制御法を検討した。安定ニトロキシルラジカルを分子量の制御剤に、汎用のアゾ化合物を開始剤として、メタクリル酸メチルの光リビングラジカル重合を行った結果、光ラジカル重合としては比較的分子量分布の狭い(Mw/km=1.4)高分子を得ることができた。この重合は、光酸発生剤の添加によって重合が加速されることがわかった。また、ニトロキシルラジカルとアゾ開始剤のアルコキシアミン付加体を開始剤とする重合により、この重合のメカニズムを解明することができた。さらに、ブロック共重合体を定量的に合成するための生長ポリマー鎖末端の安定性を評価した。その結果、重合時間を短縮することにより生長ポリマー鎖末端の失活を抑制することができ、定量的にブロック共重合体を合成することができた。この重合法を用いて、長鎖フッ化アルキル誘導体の重合についても検討を行った。
|