2010 Fiscal Year Annual Research Report
溶媒和効果による自己組織化を利用したナノ粒子の調製と砒素除去技術への応用
Project/Area Number |
20510078
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大榮 薫 宮崎大学, 工学部, 助教 (00315350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 由成 宮崎大学, 工学部, 教授 (20039291)
大島 達也 宮崎大学, 工学部, 准教授 (00343335)
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Keywords | 磁性材料 / 機能性分離材料 / 砒素 / 水環境汚染物質 / 吸着 / 極性溶媒 / ナノ材料 / アルカリ沈殿剤 |
Research Abstract |
今年度は昨年度に引き続き、砒素除去に適したマグネタイトナノ粒子の調製を行った。昨年度までは金属イオン溶液中にアルカリ沈殿剤を加えてナノ粒子を調製したが、今年度はアルカリ沈殿剤に金属イオン溶液を加えて調製を行った。金属イオンの急速な加水分解が起こるために高分散のマグネタイトナノ粒子が生成されることが期待されたが、前者の方法で得られたナノ粒子とほぼ同様の粒子が得られた。以後の実験には前者の方法で得られたナノ粒子を用いることとした。さらに砒素汚染水への応用を考慮し、塩の影響、吸着容量、吸着速度などを評価した。汚染水には多様な塩が共存しているので、本研究では、NaClを用いて砒素吸着に及ぼす塩濃度の影響を調べた。As(III)の吸着はpH4-9領域でNaClの濃度にほとんど影響がないことが示された。一方As(V)の吸着は0-0.01MNaClにおいて影響は見られなかったが、0.1M-NaCl中では吸着材の等電点よりも高いPH領域で吸着率が高くなることが示された。これは塩析効果によるものと考えられる。砒素汚染は地下水だけに限らず、地熱発電排水や鉱山廃水およびレアメタル回収後の廃液等に広がっており、その処理も必要とされているため遷移金属、半金属等の共存下における砒素の吸着選択性および吸着容量の温度の影響について検討した。遷移金属およびセレン(VI)に対して十分な吸着選択性があり、また、温度による吸着容量および吸着平衡定数の変化がほとんどなく、吸着能力にも優れていた。次に砒素の吸着速度実験を行った。マグネタイトナノ粒子と砒素との錯生成反応は非常に早く、平衡時の吸着量の90%以上が吸着された。その後粒子表面の拡散反応がゆっくり進むことが示された。本研究で得られたナノ粒子は砒素を効果的に処理することができた。
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[Book] Arsenic removal from water using magnetite、Arsenic in the Environment, The Global Arsenic Problem : challenges for safe water production, The Netherlands, Vol.2 (N.Kabay, J.Bundschuh, B.Hendary, M.Bryjak, K.Yoshizuka, P.Bhattacharya, S.Anac, Eds)2010
Author(s)
K.Ohe, T.Oshima, Y.Baba
Total Pages
15
Publisher
CRC Press/Balkema