2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ援用による摺動部材の境界潤滑性能の改善と低燃費化技術の開発研究
Project/Area Number |
20510081
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
柴田 公博 Miyagi National College of Technology, 材料工学科, 教授 (80413722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 勝彦 宮城工業高等専門学校, 総合科学系理数科, 教授 (80187715)
熊谷 進 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 准教授 (30390389)
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Keywords | Q-スイッチNd:YAGレーザ / エンジン主要金属材料 / ディンプル形状 / 光学顕微鏡 / 電子顕微鏡 / レーザ顕微鏡 / ひずみゲージ / 衝撃波 |
Research Abstract |
所有する平均出力30WのQ-スイッチNd:YAGレーザの光学系の改造、CCDカメラの設置、制御プログラムの改造を行った。この装置を用いて、自動車用エンジンを構成する主要金属材料であるAl合金(5000系)、Cu、鋳鉄(FC450)、鉄(SUY)、鋼(S50C)、黒鉛にパルスレーザを種々の条件で照射した。材料表面に形成されたディンプルの形状を光学顕微鏡、電子顕微鏡、レーザ顕微鏡で観察し、ディンプルの深さ、幅、除去された体積を計測し、ディンプル成形性に及ぼすパルス数の影響、投入エネルギの影響、材質による違いについて調べ、以下の結果を得た。 1)全ての材質において、パルス数の増加とともに深さが増大した。また幅についてはパルス数が少ない場合に不鮮明で、パルス数の増加と共に形状が鮮明になった。 2)レーザの投入エネルギとディンプル形状の関係より、Al>>S50C>黒鉛>Cu>SKD61>SUYの順位で同一投入エネルギに対しディンプル深さが深くなっており、Al合金が一番加工されやすいことが分かった。Al合金のレーザの反射率がもっとも高いにもかかわらず、加工されやすいことから加工性に融点が大きく影響していると考えられた。 3)黒鉛以外の材料では加工面は溶融を伴い、周辺にデブリが発生した。デブリの付着状態や加工表面の形態観察からSYU、Cu、Alのデブリは細かく、一方S50C、SKD61はデブリが粗く、大きく発達していた。この結果から、固液共存範囲の大きさや、粘性がデブリの発達と加工面形態に影響することが推察された。 発生する衝撃波を測定するために、ひずみゲージ法による計測法を検討した。薄片にひずみゲージを貼り衝撃波により弾性変形させることで発生する応力を推定する方法を考案した。次年度、動ひずみ計を入手し、考案した方法で衝撃波を計測・推定する予定である。併せて衝撃波による結晶構造の変化、および潤滑物質の埋め込み実験に着手する。
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