2009 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカルキャビテーション噴流によるバラスト水処理技術の開発
Project/Area Number |
20510084
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
吉村 敏彦 Kure National College of Technology, 機械工学分野, 教授 (20353310)
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Keywords | 環境保全 / 海洋技術 |
Research Abstract |
バラスト水は、荷物を積載していない船を安定させるための重しとして、港で船に積み込まれる海水である。荷物を降ろした際に積み込まれ、荷物を積載する際に排出される。しかしながらこのバラスト水の注入排出によって、多数の海洋生物が移動し、生態系の攪乱や破壊が世界的な問題となっている。従来の様々なバラスト水処理技術は、国際基準を満足しておらず、高い効率を有する技術の開発が急務の課題となっている。本研究のバラスト水処理技術では、エゼクタノズルを備えたウォータージェット技術を適用した。エゼクタノズルの低圧水に薬剤(次亜塩素酸ナトリウム)を注入することにより発生する薬剤含有水のキャビテーションは、崩壊圧力による機械的処理と薬剤による化学的処理の相乗効果(メカノケミカル効果)を生み、高いプランクトンの死滅率が期待される。 平成21年度は、平成20年度に開発したエゼクタノズルを用い、実海水に対するメカノケミカルキャビテーションによるバラスト水処理技術について検討した。アルテミアと同様に、実海水に含まれる甲殻類,かい脚類,珪藻類に対しても、メカノケミカル効果があることを明らかにした。死滅率はアルテミアには及ばないものの、バラスト水流量90l/minで90%の死滅率を達成することができた。さらに比較のため、機械的処理能力のないマイクロキャビテーションを用いて、化学的効果について調べた結果、キャビテーションが化学的作用を高めることが分かった。本研究成果は、国際学会"The 7^<th> International Symposium on Cavitation, CAV2009"において発表し、高く評価された。
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Research Products
(1 results)