2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規生分解性高分子設計を指向した微生物由来高分子分解酵素の発現機構の解明
Project/Area Number |
20510090
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
粕谷 健一 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60301751)
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Keywords | PHB / PESu / 生分解性 / 微生物 / 酵素 |
Research Abstract |
本年度は、(1)ポリエチレンスクシナート(PESu)分解微生物およびポリヒドロキシブタン酸(PHB)分解微生物の酵素誘導機構を調べた。また、(2)新たな分解速度制御のアプローチとして、ある種の生分解性プラスチック分解細菌の生物製剤としての可能性を検討した。 (1)において、環境中から単離したPHB分解微生物6株は、遺伝子解析からAcidovorax sp.とStreptomyces sp.であることが判明した。一方、単離PESu分解微生物は、Bacillus safensis、Bacillus pumilus、Bacillus subtilis、および、Stenotrophomonas maltophiliaと高い相同性を示した。PHB分解微生物株は、PHBにより酵素誘導が見られたが、一方、PESu分解微生物は、PHBによってPESu分解活性は誘導されなかった。これらの結果から、in vitroでは、PHBとPESuは、同じ酵素により分解を受けるが、環境分解性は、異なる微生物群により分解を受けていることが示された。 (2)において、ある種の生分解性プラスチック分解細菌を環境中から単離した。本株は最適増殖温度が30-45℃の中温性の細菌であった。また、至適温度付近のPHB分散培地上で、コロニー付近にクリアゾーンを形成した。酵素分泌生産試験の結果より、本株はカタボライト抑制がかからず、構成的に酵素を分泌生産することがわかった。また、本株のPESuフィルム分解において、グルコース、およびスターチの添加が有効であることがわかった。本株の耐熱性を調べたところ、100℃におけるD値は102分、180℃おいては14分であった。本株の、PESuへブレンドが可能であることが示された。
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