2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510091
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森村 茂 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20230146)
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Keywords | 干潟 / 微生物叢 / 16SrRNA遺伝子 / 硫酸塩還元細菌 / クローン解析 |
Research Abstract |
粒度組成が異なる白川河口干潟(砂質干潟)および緑川河口干潟(泥質干潟)の2箇所の自然河口干潟を対象として、季節変化および標高差の異なる干潟底泥の微生物叢を解析し、干潟に生息する微生物叢の機能と干潟環境特性を明らかにすることを目的として、16S rRNA遺伝子を標的としたクローンライブラリーを作成し、解析を行った。得られた塩基配列データを用いてホモロジー検索および系統樹解析を行った結果、好気性細菌と嫌気性細菌のバランスや嫌気性細菌の中でも硫酸塩還元細菌の分布と環境特性との関連性が認められ、次のことを明らかにすることができた。 1.砂質干潟である白川の河口干潟は泥質干潟である緑川河口の干潟と比較して好気的な環境であり、有機物濃度は低いことが確認できた。 2.クローン解析により微生物叢を比較した結果、上部と下部では下部で、白川と緑川では緑川で嫌気性細菌が優占していることが明らかになった。 3.硫酸塩還元細菌については泥質干潟である緑川で多く検出された。 4.系統樹を用いた詳細な解析の結果、硫酸塩還元細菌を含む嫌気性細菌が多く分類されているDeltaproteobacteria門に着目すると、緑川で検出された微生物はDesulfobulbusなどの硫酸塩還元細菌に近縁な微生物に集中しているのに対し、白川で検出された微生物は Geothermobacterなどの硫酸塩還元細菌とは異なるグループに近縁な微生物に集中していることが明らかとなった。
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