2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510091
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森村 茂 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20230146)
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Keywords | 干潟 / 微生物叢 / 16SrRNA遺伝子 / クローン解析 / Alphaproteobacteria綱 / Gammaproteobacteria綱 / Deltaproteobacteria綱 |
Research Abstract |
粒度組成が異なる白川河口干潟(砂質干潟)および緑川河口干潟(泥質干潟)を対象として、主に干潟底泥の微生物叢における季節変化を解析した。5月と9月は大型底生生物が活発に活動していたが、1月は大型底生生物が見られなかった。ホモロジー検索の結果、緑川河口上部および下部については5月、9月サンプルは嫌気性細菌と好気性細菌がほぼ同数検出されたのに対し、1月サンプルは好気性細菌がほとんどを占め嫌気性細菌は圧倒的に少なかった。 ORP値自体は大きな変化を示しておらず、干潟において物質循環や微生物代謝が季節に応じて変化していることが示唆された。 また、系統樹解析の結果から、Alphaproteobacteria綱およびGammaproteobacteria綱に分類されたクローンについては1月と5・9月とで顕著な変化はみられなかった。Deltaproteobacteria綱に分類された1月白川河口のクローン数は5・9月と同程度あったものの、Deltaproteobacteria綱に分類された5・9月の白川河口のクローンがすべて硫酸還元菌と近縁であったのに対し、1月のクローンでは硫酸還元菌以外の分類に属すると思われるものが多く検出された。緑川河口に関しては、5・9月のサンプルからは多くのDeltaproteobacteria綱に分類されるクローンが検出された。しかし、1月サンプルに関してはDeltaproteobacteria綱に分類されるクローンは検出されなかった。したがってDeltaproteobacteria綱に属する細菌がもっとも季節変化の影響を受けていると考えられた。
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