2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510092
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
孫 正明 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, サステナブルマテリアル研究部門, 主任研究員 (70344190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 等 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, グループリーダ (70357771)
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Keywords | 鉛 / ウィスカー / 自然発生 / 環境 / 健康 / 低融点金属 |
Research Abstract |
前年度の研究結果により、鉛を含有する種々の黄銅合金において、加工や研磨した表面から鉛のナノウィスカーの自然発生が確認された。また、鉛含有量の多い合金系にはウィスカーが多く発生することが分かった。そこで本年度に、鉛ウィスカーが最も多く観察されたC3604合金(快削黄銅)を研究対象材料とした。鉛ナノウィスカーの自然発生メカニズムを解明するために、異なる表面研磨などの加工処理を施し、その影響を明らかにすることを研究目的とする。 C3604合金に対して、機械切断加工、120#、600#、1200#研磨紙による研磨、バフ研磨および化学エッチング等の処理を行い、それらの表面における残留応力をX線回折法により測定した。また、これらの試料表面をSEMにより定期的に観察し、表面から自然発生した鉛ウィスカーの数量、寸法を測定した。その結果、異なる表面研磨などの加工処理を施してから、表面における残留応力はそれほど差が見られなかったが、ウィスカーの発生状況は著しく異なることが分かった。例えば、ウィスカーが最も多く発生した600#研磨表面には残留応力が平均的なレベルにあるが、ウィスカーが全く発生しないバフ研磨およびバフ研磨後に化学エッチングした表面には平均より高い残留応力が測定された。 これらの結果から、ウィスカーの自然発生が応力による現象との一般的な見解を見直す必要がることが分かった。これらの現象を解明するために、最終年度では、黄銅合金および模型材料を用いて、金属等の表面における低融点金属ウィスカーの自然発生挙動を調べ、ウィスカーの発生メカニズムを解明することを目指す。
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Research Products
(1 results)