2009 Fiscal Year Annual Research Report
電子溜め機能を持つナノサイズクラスター金属錯体の有機化学的修飾による高機能化
Project/Area Number |
20510093
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
藤原 隆司 Saitama University, 科学分析支援センター, 准教授 (70280914)
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Keywords | 構造・機能材料 / ナノ材料 / 錯体化学 / 有機化学 / ナノクラスター |
Research Abstract |
平成21年度の計画については(1)ナノサイズクラスター金属錯体の合成と構造、(2)ナノサイズクラスター金属錯体の化学修飾の検討および機能性の検討を目指した。 ナノサイズクラスター金属錯体の化学修飾の検討および機能性:昨年度目的(3)のために得られた錯体と各種の有機試薬と反応させて,配位した分子内塩RLの硫黄への反応性について調べた。さらに先に配位子に化学的修飾を施してから錯形成を行い,得られた化合物の性質について調べる合成的手法についても検討を行った結果、新規な分子内塩RLを得ることができた。この新規な配位子をもちいて錯体の合成を行い、その構造や各種の分光学・電気化学的測定を行った。さらに量子化学計算を用いて得られた錯体の構造や電子状態,光吸収帯の帰属や酸化還元特性の原因を解析した。 ナノサイズクラスター錯体の非配位硫黄原子と異種金属イオンとの錯形成:[Au3(EtL)4]3+の単座配位子の非配位硫黄原子への錯体形成を試みた.有機反応と同じように金属試薬と反応させることにより,ナノワイヤー金属錯体の周辺硫黄原子に別の硫黄と錯形成しやすい金属イオン(例えば,白金や銀など)を付加させた.このことによって配位子の硫黄が非配位の状態と比較することで,ナノクラスター錯体の金属イオンに対する反応性を調べ,混合金属の重層ナノクラスターなど,新しい機能が付与する可能性を得ることが期待できる.反応生成物はクロマト法などで分離し,質量分析、NMRなどの各種機器分析によって同定しているところであるが,非常に複雑な混合物であり、ポリマー構造を取っている可能性もあり、さらに各種の分析手法を用いてその構造について明らかにしていく必要がある。 いくつかの成果については査読のある論文誌に投稿し、掲載されている。
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Research Products
(9 results)