2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高分解能気相イオン移動能法の開発とナノ炭素物質の構造制御
Project/Area Number |
20510095
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
菅井 俊樹 東邦大学, 理学部, 准教授 (50262845)
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Keywords | 気相移動度測定 / ナノ炭素 / イオントラップ |
Research Abstract |
平成22年度は、最終年度として超高分解能イオン移動能装置を開発した。このシステムはイオントラップを複数個用いており、電極間に20kHz,600Vppの高周波電場(RF)と数Hz,10Vppの低周波電場(LF)を印加する。RF電場の周波数はイオンの移動に比較して十分に早いため、イオンは電場の絶対値が小さい電極中央部分に収束される。収束したイオンをLFにより大気中を移動させ移動速度や振幅を測定し、イオンの移動度および構造を推測する。これまで真空中で用いられることが多い、イオントラップを大気中など高圧ガス中で用いることができることが特徴である。直径20μm、比電荷m/z=2×10^8程度の粒子である食塩水荷電微粒子を用いて装置の動作確認をしたところ、食塩水微粒子が大気への水の蒸発および水分の凝縮な対応し、サイズが数十分の時間範囲で大きくなったり、小さくなったりしたことを確認した。さらに、その変化が食塩水濃度に大きく依存することが分かった。トラップされる寿命が2時間以上であるため、ナノ物質の成長を十分に観測できる。 さらに、このトラップ長と移動距離が500mmの装置を開発し、微粒子の重力による落下を組み合わせ、電荷と大きさを独立に測定すると画可能になり、更なる高精度測定と構造分離を実現した。この装置は組み込み計算機システムとそれらを通信によって制御するWindows PCによりRFとLFの動作が制御され、任意のサイズの粒子の選別と保持が可能である。その上質量分析器にトラップした粒子を導入できるように、イオンファンネルを備え、ナノ物質の高度測定が可能である。
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