2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属内包カーボンナノチューブの収束イオンビーム加工と新機能プローブ開発
Project/Area Number |
20510098
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 薫 Nihon University, 理工学部, 教授 (80139097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 浩一 日本大学, 理工学部, 教授 (10297781)
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Keywords | 金属内包カーボンナノチューブ / 収束イオンビーム加工 / 新機能プローブ開発 / 直流沿面通電熱分解 / 触媒金属 / パルスレーザ堆積法 |
Research Abstract |
シリコン(Si)基板にエタノール中で数十[A]の直流沿面通電を行い、陰極とSi基板の間に挟んだ金属メッシュの通電経路上における溶融部近傍に金属内包カーボンナノチューブが生成することを走査型電子顕微鏡によって確認した。モリブデン(Mo)を金属メッシュに用いた場合、表面温度が約1000℃において直径100-150nmのカーボンチューブ内に内径30-80nmのMoが内包され、長さは400-1200nmであった。鉄(Fe)やニッケル(Ni)を金属メッシュに用いた場合、表面温度が約1000℃においてはカーボンナノチューブの先端部数十nmにのみ微粒子がキャップされ、数百nmの長さに渡る金属の内包は確認できなかった。この原因はMoの融点が2600℃であるのに対して、Feの融点が1535℃・Niの融点が1455℃と低いために気化蒸散により微粒子化が起こると考え、表面温度を800℃に低下させたがカーボンナノチューブの生成自体が起こらなくなった。そこでアルゴンイオンレーザ(波長:515nm,出力:1.3W)を電流経路上のNiメッシュへ同時に照射して支援したところ、直径30-100nmのカーボンチューブ内に内径10-70nmのNiが内包され、長さは250-500nmが得られた。現在、表面温度とレーザ波長・出力のNi内包に対する依存性の探査と、収束イオンビーム加工による金属内包カーボンナノチューブの磁気力顕微鏡プローブへの応用を検討中である。 カーボンナノチューブに強磁性の機能を有するやMoやFe及びNiを内包する以外に、新たな機能を有するプローブを目指して新規の金属微粒子を基板上に堆積した。薄膜状に堆積したLaO(CuS)とZnOは紫外から可視光の発光が、DLC:Pや:Bでは太陽電池特性が、La2Ti2O7では太陽光照射による水分解での水素発生を確認したが、これらの触媒金属のカーボンナノチューブへの内包は困難であり、実現には未だ到っていない。 これらの結果は国内の学会や国際会議で報告し、現在Applied Physics Aに投稿中であり、2件の論文が"accepted for Publication"の連絡を受けている。
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Research Products
(24 results)