2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510099
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
鶴岡 徹 National Institute for Materials Science, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (20271992)
|
Keywords | ナノデバイス / 光ナノスイッチ / ナノイオニクス / ナノフォトニクス / プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は,光照射の有無により高抵抗(オフ)状態と低抵抗(オン)状態を繰り返し遷移する光制御型抵抗変化スイッチの開発とそのナノスケール化を目的としている。具体的には,イオン伝導体薄膜の両側を金属および透明電極で挟み込んだ素子構造を作製し,透明電極側からレーザー光を照射して光誘起の固体電気化学反応により伝導体膜内に金属のフィラメント構造を形成しオン状態を作り出す。 21年度はカルコゲナイド(GeS)を用いて素子化を試みた。Ag/GeS/ITO素子を作製したが,スイッチ動作を確認することはできなかった。これはGeS膜上にAg電極を堆積するとAgが溶解してしまうことに起因することがわかった。 Ta_2O_5やSiO_2などの還元されにくい酸化物薄膜でも,AgやCuを用いたMIM構造において電圧印加下により抵抗変化が起こることを見出した。電流-電圧測定,初期状態からオン状態までの電流-時間測定,およびオン抵抗の温度依存性を測定した結果,電気化学反応により金属フィラメントが酸化膜中に形成されてオン状態になること,またオフ化は電流に伴うジュール熱にアシストされたフィラメントの熱酸化および拡散によるフィラメントの切断に対応することを明らかにした。この結果は光スイッチ材料として酸化物も候補になり得ることを意味しており,現在その可能性も検討している。固体電解質としてイオン伝導性ポリマーを用いた抵抗変化素子の開発に成功し,Ag塩濃度を制御することにより,安定なスイッチ動作を可能にすることを見出した。
|
Research Products
(5 results)