2009 Fiscal Year Annual Research Report
表面ナノ構造を有する可視応答TiO2/p-InGaNヘテロ接合光電極の還元力評価
Project/Area Number |
20510101
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小林 直樹 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (10361825)
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Keywords | 水の光分解 / 水素エネルギー / 半導体光電極 / 窒化物半導体 / GaN / InGaN |
Research Abstract |
これまでGaN系半導体電極の還元力を定量的に評価し光照射水分解効率との関係を明らかにすることを目的として、フラットバンドポテンシャル測定による水素発生redox準位と半導体電極の伝導帯端のエネルギー位置関係を定量的に求めてきた。さらに電解液中の光電流スペクトル測定やサイクリックボルタンメトリー測定から、GaN系半導体電極やTiO2/p-GaNヘテロ接合電極から電解液に自発的に電子が注入されることを確認してきた。今年度に関しては、 1、水分解効率を上げるためにGaN電極表面をエッチングでナノ構造化したときにあらわれるGa極性面とN極性面の伝導帯端エネルギーの違いを測定し、Ga極性面がN極性面に比べ約0.3eV高いことを明らかにした。 2、ガスクロマトグラフィーを用いGaN系半導体電極による光照射水分解水素発生を定量的に測定することを進め、p-GaN半導体電極に-2Vバイアス、pH10の塩基性電解液の条件下で、365nm光を照射することで水素発生量子効率として約10%を得た。酸性条件下では水素発生量子効率は減少し、その機構としてp-GaNのアクセプター不純物であるMgの水素パッシベーションによると考えた。これは既に報告している酸性条件下でのp-GaN水素発生によるPL強度変化、正孔濃度変化の結果からも支持される。今後エッチングにより表面をナノ構造化したp-GaN電極やTiO2/p-GaNヘテロ接合電極による水分解水素発生効率を測定し、表面ナノ構造の効果を検証していく。 3、GaN表面のエッチングやTiO2/GaNヘテロ接合による表面をナノ構造化した電極の応用例として色素増感太陽電池への適用を考案し、特許化した。
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