2010 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的擬ポテンシャルを用いた第一原理分子動力学法の開発と応用
Project/Area Number |
20510102
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小田 竜樹 金沢大学, 数物科学系, 教授 (30272941)
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Keywords | スピン軌道相互作用 / 擬ポテンシャル / 第一原理分子動力学法 / 磁気異方性 |
Research Abstract |
本研究では、スピン軌道相互作用などほとんど全ての相対論効果を含む電子に対する擬ポテンシャルの開発を推進し、これらを既存の第一原理分子動力学法へ組み込む開発研究を行った。また開発した計算コードの応用として、スピントロニクス等で重要となる磁気異方性の電界効果や半導体のラシュバ効果といったテーマの計算科学的理論的研究を推進した。 1. 金(001)表面系に積層した鉄層の薄膜に対して外部電場を印加し、電子構造に現れるスピン軌道相互作用を調べた。昨年度に研究した鉄白金系と比較して、磁気異方性エネルギーにおいて小さな電界効果を発現することが得られることが明らかとなった。大きな磁気異方性電界効果を得るためには、白金を使用することが一つの方法であることを明確に示すことができた。 2. 密度汎関数理論に基づく相対論的擬ポテンシャルを構築する一環として局所密度近似(LDA)と一般化された勾配補正近似(GGA(PW91))について、磁気異方性エネルギー計算を行い、その違いと起源を調査した。 3. シリコン表面にタリウムの1原子層を積層した系について、スピン軌道相互作用をあらわに取り入れた表面電子構造計算を実施した。角度分解光電子分光法の実験結果と比較し、ラシュバ効果の特徴を検討した。この項目は、坂本一之氏(千葉大学自然科学研究科)を研究協力者とし、実験との比較を促進するための計算コード開発を推進した。 4. 新しい超並列計算機に対応した計算コード(MPIとOpenMPとを同時使用)の開発を推進した。
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Research Products
(12 results)