2009 Fiscal Year Annual Research Report
バイオミメティック法を応用したカーボンナノチューブ複合アパタイト生体材料の開発
Project/Area Number |
20510103
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
樽田 誠一 Shinshu University, 工学部, 教授 (00217209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 直人 信州大学, 医学部, 教授 (80283258)
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Keywords | カーボンナノチューブ / アパタイト / バイオミメティック / 生体材料 / 複合体 |
Research Abstract |
(1)カーボンナノチューブ(CNT)表面ヘバイオミメティックに析出するアパタイトの析出メカニズム 擬似体液中において、アパタイトはCNT表面のある部分から核生成し、フレーク状の微粒子からなる球状結晶へと成長することがわかった。核生成が生ずるCNT表面のある部分については特定できなかったが、アパタイトの析出はCNT表面のpHに大きな影響を受け、pHが高いほどアパタイトはより析出することがわかった。また、CNT表面に析出したアパタイトは超音波を照射しても脱落しないほど密着していた。 (2)擬似体液中のCNTからのアパタイトの均一析出についての検討 CNTを擬似体液中に均一分散させることが、アパタイトの均一析出には必要であることがわかった。このCNTの分散は、多層CNTに対してはポリビニルアルコール(PVA)とポリエチレンイミンの共添加,カップスタック型CNTに対してはPVAの添加が有効であった。カップスタック型CNT表面に多量にアパタイトを析出させることに対してもPVAの添加は有効であった。これはCNTに吸着したPVAのヒドロキシ基がアパタイト析出の核として作用していると考えられる。また、擬似体液中に浸漬するCNTの量が少ないほど均一にしかも微細な結晶としてアパタイトが析出することがわかった。 (3)擬似体液組成がアパタイト析出に与える影響の検討 カルシウムおよびリン酸量を3倍した擬似体液は、そのpHを低下させることで原料のカルシウム塩およびリン酸塩が完全に溶解した。そこには同時に尿素を添加し、擬似体液の温度を70℃として尿素を分解させることでpHを中性~弱アルカリとした。その結果、より多くのアパタイトが析出した。 (4)CNT複合アパタイト焼結体の作製と性質 1wt%CNT複合アパタイトは真空焼成した後、HIP処理すると相対密度が約98%にまで緻密化した。
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