2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識能を有する金属ナノ粒子の創製と三元錯体形成による高機能化
Project/Area Number |
20510109
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
白石 幸英 Tokyo University of Science, Yamaguchi, 基礎工学部, 准教授 (60289303)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / シクロデキストリン / 白金 / コロイド / 三元錯体 / 活性酸素消去 / 分子認識 / 超分子 |
Research Abstract |
金属ナノ粒子は、ナノテクノロジーを支える材料として、近年とみに注目されている。特に最近は粒径が揃い、かつ安定なものが得られるようになり、IT革命の推進役とされている。本研究者は、高分子や低分子の保護剤の存在下、金属イオンを還元する方法を用いることにより、種々の金属ナノ粒子の粒径および構造を制御することに成功している。金属ナノ粒子は、保護剤の種類や状態により、その機能、性質および触媒特性に大きな影響を受ける。一方、包接化合物は、その疎水的な空洞内に様々な化合物を取り込み、錯体を形成することで知られ、今日迄に酵素モデル、分離機能材料、触媒等として利用されてきた。本研究は、包接化合物を金属ナノ粒子の保護剤に用い、空洞内にゲスト分子を取り込むことで、金属ナノ粒子/包接化合物/ゲスト分子の三元錯体を形成することにより従来全く考えられていない、金属ナノ粒子/超分子複合体を創製することを目的とする。本年度は、疎水的な空洞内に様々なゲスト分子を包接することで知られているγ-シクロデキストリン(γCyD)をナノ粒子の保護剤として用い、γCyD保護白金ナノ粒子を調製し、この活性酸素種消去能について検討した。さらに、抗酸化活性を有するユビキノン-10(CoQ10)をγCyDに包接させることにより活性酸素消去能の向上を検討した。その結果、CoQ10は水に不溶のため過酸化水素を分解できないが、γCyD-Ptナノ粒子と包接錯体を形成することでγCyD-Ptナノ粒子の1.8倍の高活性を示した。
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Research Products
(7 results)