2010 Fiscal Year Annual Research Report
X線エネルギー可変XPSによるナノ粒子の断層解析法の開発
Project/Area Number |
20510110
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
吉川 英樹 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, 主幹研究員 (20354409)
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Keywords | XPS / 放射光 / エネルギー可変 / 断層解析 / DDF |
Research Abstract |
1.モンテカルロ解析の基礎物理量である誘電関数の新たな導出法の開発 表面不均一性を持つナノ粒子について、エネルギー可変・X線光電子分光法(XPS)を使った非破壊断層解析を行うには、非弾性散乱バックグラウンドスペクトルの精密な評価が有効で、そのためには非弾性散乱過程を定量的に記述する誘電関数が不可欠であることが本研究の過程で明らかになってきた。そこで角度可変&エネルギー可変・反射電子エネルギー損失分光スペクトルから、多変量解析法の一つである因子分析の手法を使って誘電関数を導出する新たな手法を開発し、Si,SiO_2,GaAsなどの代表的な物質において精密な誘電関数を得ることに成功した。本手法は、エネルギー損失に関する複雑な理論的取扱を必要とせず、系統的に取得された実験データ群の解析だけから誘電関数を導出する実用性に優れた手法である。このようにして求めた誘電関数をエネルギー可変XPSスペクトル解析用のモンテカルロシミュレーションコードに組み込んだ。なおこの成果について5th International Symposium on Practical Surface Analysis(韓国、慶州)の国際会議で招待講演を行った。 2.高エネルギーX線光電子分光法における非破壊断層解析技術の実用材料系への展開 放射光高エネルギーX線光電子分光法における非破壊断層解析の実用ナノ材料系への適用として、メタノール分解触媒であるNi_3Al合金の表面触媒反応の解析を行った。触媒反応によって、Ni_3Al表面層に10nmを越える厚さのAl酸化層及び水酸化物層が形成し、それと合わせてNiナノ粒子が形成される過程を非破壊断層解析で明らかにした。
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Research Products
(4 results)