2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510114
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 貴富喜 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20322688)
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Keywords | ナノ流体デバイス / マイクロ化学システム / MEMS / NEMS / 1分子科学 / 分子操作 / ナノ界面・表面 / ナノバイオロジー / 1分子・ナノ計測 |
Research Abstract |
本年度は,1分子ソーターのコンセプトを実証するため,入口が1つで出口が3つに分岐したナノ流路ネットワークを作製し,さらに流路の途中に1)1分子の流速検出用,2)1分子計測用,3)分岐部で出口流路へとスイッチング用,の3種類の電極構造を組み込み,1分子の検出からソーティングまでの一連の動作を実現するナノ流体デバイスを作製した。さらに,サンプル分子として3種類の分子量のDNAをそれぞれ作製し,その3種類を特定の割合で混合したDNA溶液を使って1分子ソーターを評価したところ,入口では3種類のブレンドであったものが,出口3箇所でそれぞれの分子量に対応したDNAを回収することに成功し,1分子ソーターのコンセプトの実証に成功した。回収率を蛍光強度から評価したところ,およそ95%以上の回収率で,かつ90%以上の回収精度が得られた。分離中の様子を観察したところ,サンプル調製時の誤差により用意した3種類の分子量以外のDNAも含まれていたことから,回収精度が90%に留まったのは予定外の長さのDNAも含まれていたためと考えられる。100%同じ分子量のみでDNAを調製することは極めて難しいので,回収量の評価方法の工夫が必要であり,次年度の課題とした。 また,ナノ流路内のようにほとんど界面だけで構成された電気二重層内の空間となる特殊な場における1分子の活性を評価するため,1分子モーターを使って電気二重層内におけるその活性も評価し,ナノ流路内が生体分子の活性にどのような影響を与えるかに関しても間接的に検討した。
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