2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510115
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松下 慶寿 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (80240753)
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Keywords | マイクロリアクター / 光触媒 |
Research Abstract |
光触媒担持マイクロリアクターを利用した高付加価値化合物合成を目指し、医薬品や香料・農薬・高分子材料などに広く応用されている4置換芳香族アルデヒド類の合成について検討した。これらのアルデヒド類は、対応するトルエン誘導体を酸化すれば得られるはずであるが、逐次的に起きる副反応により付加価値の低いカルボン酸が生じるために単純な酸化法は適用できず、従来の製造法では、有害な添加剤やハロゲンなどを用いる多段階反応が必要とされていた。しかし、本研究で開発したマイクロリアクターを用いれば、逐次的副反応を抑制し、4置換芳香族アルデヒド類を一段階で、環境負荷の低い溶媒以外の一切の添加剤を用いず選択的に合成できることが明らかとなった。香料として用いられるp-メトキシベンズアルデヒドの場合、p-メトキシトルエンの10%酢酸溶液からの収率は、反応時間75秒で91%に達し、副生成物であるカルボン酸の生成はほぼ無視出来る量に抑えることができた。これは反応物が反応系に滞留しないマイクロフロー系特有の性質により選択的酸化が可能となったためと考えられる。
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