2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510115
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松下 慶寿 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80240753)
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Keywords | マイクロリアクター / 光触媒 / ナンバリングアップ / 高付加価値化合物 / 選択的酸化 / 二酸化炭素の資源化 |
Research Abstract |
光触媒反応に最適化されたマイクロリアクターを開発、選択的酸化による高付加価値化合物合成や二酸化炭素の資源化になどついて、マイクロ反応場と光触媒反応の特性を組み合わせれば、収率、選択性などを向上させ、マクロ式バッチ反応系では実現できない環境負荷低減型の新たな反応プロセスを構築できることを示した。 芳香族アルデヒド類は、機能材料、農薬・医薬品原料、香料などとして有用な化合物である。これらは、対応するトルエン誘導体を酸化すれば得られるはずであるが、逐次的に起きる副反応により付加価値の低いカルボン酸が生じるために単純な酸化法は適用できない。そのため実生産では危険な塩素ガスを用いる多段階反応か有害な金属触媒と酸化剤を用いる高温反応等、非常に環境負荷の大きい手法が用いられている。しかし、本研究によれば、最も一般的な酸化チタン光触媒を担持した単一流路型マイクロリアクターを紫外光源で励起することにより、逐次的副反応を抑制し、高付加価値な4置換芳香族アルデヒド類を一段階で、環境負荷の低い溶媒以外の一切の添加剤を用いず選択的に合成できることが明らかとなった。また貴金属助触媒などを添加しない、安価な酸化チタン担持マイクロリアクターを用いて、水溶液中の二酸化炭素を処理すると、犠牲還元剤等を添加しない条件下でも六電子還元によるメタノールが主生成物として得られることを示した。この反応では特にレイノルズ数の小さいマイクロ流路中で生成する多相流を用いれば、反応の効率を著しく高められることが明らかとなった。さらに数百流路規模の並列化を実現したナンバリングアップ型基本デバイスの開発を行い、単一流路型マイクロリアクターに比べ、約150倍の単位時間あたりの収量を達成できることを示した。
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Research Products
(6 results)