2009 Fiscal Year Annual Research Report
極微量フリーラジカル検出のためのマイクロESRセンサ
Project/Area Number |
20510116
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北川 章夫 Kanazawa University, 電子情報学系, 准教授 (10214785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木谷 聡 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (30251937)
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Keywords | 先端機能デバイス / マイクロ・ナノデバイス / 電子デバイス・機器 / バイオ関連機器 |
Research Abstract |
1.ESR(電子スピン共鳴)信号プローブの設計と試作 CMOS 65nmテクノロジを用いて、13nHのマイクロインダクタを設計・試作した。同時に、ESR信号を検出する回路を設計し、マイクロインダクタおよび信号検出用アナログフロントエンド部をセンサチップ上に集積化した。回路方式として、次の3種類の方式を選び、一つのセンサチップに混載させた。使用した回路方式は、(1)共振方式(低雑音増幅回路)、(2)位相比較方式(エッジ検出回路)、(3)ダイレクトコンパーション方式(ミキシング回路)の3種類である。 2.従来法による測定データとの互換性の検証 従来法において標準ラジカルとして使用されているDPPH(1.1-dipheny1-2-plcrylhydrazy)1.2e15[spin/ul]のエタノール溶液2マイクロリットルを、センサチップの保護膜上に滴下し、検出を行った。共振方式の回路においてESR信号の観測に成功した。他の回路方式では、明確な信号は得られなかった。この実験結果により、極微量ESR測定技術実現への途が開かれた。これまで検出が出来なかった極微両物質の検出や化学反応過程で発生するラジカルがESRにより検出される可能性が示された。 3.信号検出感度・最少検出分子数の評価 共振方式の回路において、10e12~10e13[spin]のDPPHを約50dBのSN比で検出できることが分かった。この検出感度は、従来法における最高検出感度と同等である。ただし、測定に必要となるサンプルの量は、約1/1000に縮小されたことに相当する。
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Research Products
(7 results)