2009 Fiscal Year Annual Research Report
局在プラズモン増強励起と蛍光蛋白発現菌体を組み合わせた重金属分析マイクロデバイス
Project/Area Number |
20510117
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
石田 昭人 Kyoto Prefectural University, 生命環境科学研究科, 准教授 (20184525)
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Keywords | 局在プラズモン / マイクロ流体デバイス / プラズモン増強蛍光 / 蛍光蛋白発現 / 重金属耐性遺伝子 / 水銀耐性大腸菌 / merR / ナノコーンアレイ |
Research Abstract |
水銀イオン応答遺伝子と蛍光蛋白発現遺伝子または生物発光酵素発現遺伝子を組み込んだ大腸菌を固定化し、水銀イオンセンサとして応用する研究を展開している。水銀イオンを含む培地で選別培養された水銀イオン耐性大腸菌は水銀イオンに応答する遺伝子merRをもつ。このmerRにより発現される水銀制御蛋白MerRによる蛍光蛋白発現系とプラズモン増強励起を組み合わせた蛍光分析系および水銀制御蛋白MerRによるルシフェラーゼ発現系による生物発光分析系の2つの水銀イオン分析系を考え、それぞれの系について、生菌体を用いる系と単離蛋白固定化系の2つを平行して検討してきた。 昨年度まではMerRの金属結合ドメインMBDを2つタンデムにつなぎ、両端に黄色蛍光蛋白サブユニットのN,C末端をそれぞれ融合させたコンストラクトで検討していたが水銀イオンに対して応答はするものの検出限界が低く、本年度新たにMBDの両端にルシフェラーゼのサブユニットをそれぞれ融合させた生物発光検出用コンストラクトを作成した。 生物発光検出用コンストラクトを大腸菌に組み込んで大量発現させ、蛋白をアフィニティーカラムで精製して水銀イオン応答性を評価した。良好な応答を示すようコンストラクトを種々改変する過程は困難を極めたが、ようやく一定の応答を示す蛋白を単離することに成功した。しかし、水銀イオンが高濃度になると、ルシフェラーゼ自体が強い阻害を受けて失活し、生物発光強度が低下してしまうことが明らかになった。そこで、本年度は再度、蛍光検出系のコンストラクトの構造を洗練させてセンサーとしての応用を試みることとする。
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