2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマー分散型量子ドットを内包するマイクロキャビティ構造の研究
Project/Area Number |
20510120
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
向井 剛輝 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (10361867)
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Keywords | 量子ドット / マイクロ・ナノデバイス / マイクロキャビティ / ポリマー分散型 / フォトニックドット / エアーブリッジ構造 / ポリマー光導波路 / 量子計算 |
Research Abstract |
量子通信・量子計算機を実現するための単一光子発生器を、高度なエピタキシャル成長などを使用せずに、化学合成によって製造される量子ドットとポリマー光導波路との組み合わせで実現するための、基礎的な検討を行った。最終年度である今年度は、(1)量子ドットを内包したポリマー製マイクロキャビティの構築、(2)量子ドットの化学合成技術の改良、(3)量子ドット構造の簡便な評価技術の構築、(4)合成量子ドットからの単一光子発生の確認、の4つのテーマについて、研究を実施した。 (1)ポリマー(PMMA)製のマイクロキャビティと化学合成PbS量子ドットとを組み合わせたアクティブ・デバイス構造を実現し、光共振器特性を実現した。またパイロットとして進めていたInP系半導体製の同構造においては、電圧印加による共振波長のコントロールを実現出来た。 (2)昨年度までの水溶液を用いる方法に代えて有機溶媒を用いた合成に着手し、検討の結果、これまでより更に構造対称性が高く、偏光の方向依存性が低いPbS量子ドットを実現した。 (3)これまで開発して来た、ラボ用システムを用いた微小角入射X線回折法(GDXD法)を用い、埋め込み型InGaAs/6aAs量子ドットの内部構造分布の評価にも成功し、格子定数の基板方位依存性と偏光特性との関連性を具体的に明らかにした。本方法は、基板に対しフリーである化学合成量子ドットに対しては、内部構造の詳細な評価はできないが、粒径分布が評価出来ることを、電子顕微鏡観察を併用して確かめた。 (4)合成PbS量子ドットからの単一光子発生の確認を試みたものの、実現出来なかった。原因は特定出来ていないぶ、量子ドットの発光効率が必ずしも安定して高くないことや、発光波長による量子ドットの選択と実験条件の組み合わせの最適化が不足していることなどが考えられる。
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Research Products
(6 results)