2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510126
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
牧本 直樹 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (90242263)
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Keywords | レジームシフト / ポートフォリオ選択 / 最適投資 / ベルマン方程式 |
Research Abstract |
アクティブ投資で利用されるファクターポートフォリオにおいて,レジームシフトを考慮した最適資産選択の研究を行った.まず,ファクターの時系列特性を調べるために,過去50年余りのデータを用いてFama-French(1993)の3ファクターモデルの推定を行い,レジームシフトを導入することでより説明力の高いモデルが得られることを確認した.特にローリスク・ハイリターンとハイリスク・ローリターンという2レジームが存在することを明らかにした点は興味深い結果である. 次に,通常の平均-分散の枠組に取引量に応じた2次の取引コストを加え,さらに時系列パラメータや取引コスト行列がレジームシフトする多期間の動的な資産選択問題を定式化した.レジームシフトによってベルマン方程式が連立非線形方程式となるため,それを数値的に解くための効率的なアルゴリズムを開発し,それをもとに最適投資戦略を準解析的な形で導出した.なお,取引コスト行列がレジームに依存しない場合や,さらに誤差共分散行列に比例する特殊なケースでは,最適投資戦略を解析的に求めることが可能である. 得られた最適ポートフォリオは,現在のポートフォリオとターゲットポートフォリオの線形結合で表すことができ,後者はレジームの影響を強く受けることが明らかとなった.モデルパラメータが投資戦略に与える影響については,特殊ケースでは最適解から直接分析を行い,一般的なケースについては実データをベンチマークとする数値計算をもとに詳細な分析を行った.
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Research Products
(4 results)