2010 Fiscal Year Annual Research Report
ジャンプを伴う価格変動を仮定した資産の運用と価格付けに関する総合的研究
Project/Area Number |
20510135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大西 匡光 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10160566)
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Keywords | ジャンプを伴う拡散過程 / 金融市場モデル / 金融工学 / 最適停止問題 / 自由境界値問題 / 金利の期間構造モデル / エキゾチックな金利デリバティブ / リスク回避性 |
Research Abstract |
本研究では,最近の関連する国内外の研究動向を踏まえ,ランダムなジャンプを伴う拡散過程で記述される確率的変動を持つ金融資産・変数を仮定した金融市場モデルにおける金融工学的諸問題に対して,モデル化・定式化の検対から始めて,それらに対する解析的・数値的な金融工学手法の確立を目標とした総合的な研究を試みるものであった。 最終年度の平成22年度も,現在における世界の研究状況を正しく把握するため,最新の結果を収めた国内外の学術文献を迅速に入手するとともに,国内外の指導的研究者との活発な情報・意見交換を行った とりわけ,ファイナンス・金融工学に現れる,ランダムなジャンプを伴う拡散過程に対する様々な最適停止問題を,自由境界値問題として定式化した上で,スムース・フィット,あるいはスムース・ペースティンクと呼ばれる原理に基づいて,解析的・準解析的に,あるいは数値的に解く方法論について,徹底的なサーベイを行った上で,最近の研究動向を調査した また,金利の期間構造モデルについての最近の動向,とりわけアフィン期間構造モデルについての最新の研究成果をサーベイした.また,そうした新しい金利の期間構造モデルのもとで,金利変動リスクをヘッジする手段を与える,いくつかの重要なエキゾチックな金利デリバティブの価格付けについての研究を推し進めた さらに,多様なファイナンス意思決定状況において,様々なカテゴリーのリスクを想定し,投資主体のリスク回避性が意思決定に与える影響に関する比較静学についての研究をも推し進めた
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Research Products
(2 results)