2010 Fiscal Year Annual Research Report
有限グラフ上の探索問題に対する最適意思決定の解析的考察
Project/Area Number |
20510139
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
菊田 健作 兵庫県立大学, 経営学部, 教授 (30126487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木庭 淳 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (90177882)
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Keywords | システム工学 / ネットワーク / 数理工学 / モデル化 / ゲーム理論 |
Research Abstract |
本年度は、探索モデルのうち特にScreeningを考慮した探索について研究した。さらに、自己安定相互排除問題における局所発見不可能な故障のゲーム理論によるモデル化、分析を引き続き行った。一方、従来から行ってきた研究の成果や現在の研究状況等を研究会等で報告・発表した。 1. Screeningを考慮した探索モデル:研究協力者A.Garnaev氏と共同研究を行った。このモデルにおいてhiderは探索者から逃れるために最良の位置を見つけようとするばかりでなく、探索者が自分を見つけるのがより困難になるように工夫する(screening)。一方、探索者はhiderの行動に対して最適な探索を行おうとする。このモデルを数理的に分析しある戦略が両プレーヤーの均衡戦略であるための条件を与えた。また、screeningがhiderの最適戦略においてどれくらい重要であるかを考察した。 2. 研究協力者W.Ruckle氏との共同研究:探索者が探索環境に関して持っている情報の量が探索戦略に及ぼす影響等についてさらに検討を重ねた。 3. Accumulation Game : S.Alpern氏、RFokkink氏との共同研究による、Accumulation Gameにおけるhiderの最適戦略の性質を扱った論文が国際誌に掲載された。 4. 自己安定相互排除問題における局所発見不可能な故障について:自己安定システムでは故障から回復中の脆弱性を如何に克服するかという問題がある。従来故障にはランダムに異常値をとるというモデルが一般的であったが、システム側の弱点をついた悪意のある故障モデルも考えられる。このモデルの下で多段階2人ゼロ和ゲームを解析することにより、耐故障性のあるシステムを構築できることを示した。
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