2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510144
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
平川 保博 Tokyo University of Science, 理工学部, 教授 (40120208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 綾 東京理科大学, 理工学部, 講師 (50328564)
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Keywords | 多段階生産システム / かんばん方式 / タイムバッファ方式 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生産のための工程編成、作業分担方式などのハード面とものの流れの制御といったソフト面を融合させた、変動に頑健な生産システムを設計するための方策を明らかにすることである。生産システムには、一般に、需要変動という外的変動と作業時間変動という内的変動が存在する。従来、かんばん方式に代表されるように、変動を吸収する緩衝材として在庫量が利用されてきた。しかしながら、在庫の保有は、資金を固定し、多様化する顧客需要に迅速に対応することを困難にする。これに対し、今日、多くの企業では、顧客ニーズの多様化に伴い、生産システムは少品種多量生産から多品種少量生産に移行し、組立型生産ラインにおいては、様々な作業者の能力を柔軟に活用する新しい生産方式が試行されているが、その理論面に関しては、十分な研究が行われているとは言えない。 私達は、これまで、作業者の移動、あるいは、作業者の能力の違いなど、現状を踏まえた生産システムのモデル化と解析を行った。作業者の能力および生産設備費用を所与としたとき、応援作業者を生産ラインに組み込むことによって、作業時間変動による工程間の作業干渉のみならず、工程間の作業負荷のアンバランスに対しても柔軟に対応できる。そこで、プロトタイプとして、応援作業者を組み込んだ生産ラインにおいて与えられた作業時間表に基づいて生産性の高い生産システムを設計するための指針を示した.そこでは、従来の生産数量によってものの流れを制御するかんばん方式から一歩踏み出し、作業者の多様性、ダイナミックな作業あるいは作業者の移動にも対応できる作業時間量(タイムバッファ)の概念を導入し、ものの流れを制御する方式について研究を行っている。
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