2008 Fiscal Year Annual Research Report
多工程組み立ての作業困難さを考慮する製品・生産設計の多目的最適化法の開発
Project/Area Number |
20510150
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
荒川 雅裕 Kansai University, 環境都市工学部, 准教授 (70288794)
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Keywords | 作業困難さ / 製品設計 / BOM / 組立作業 / 部品配置 / 作業順序 / 最適設計 / 分解作業 |
Research Abstract |
本研究では作業の困難さを評価し,製品を構成する部品の配置を自動的に設計する方法の開発を目的とする.とくに,作業者の手作業によって行われる組立作業について着目し,作業を困難とする要因を定量化し,作業時間に及ぼす影響から作業困難さの特徴を分析する.作業の困難さは製品内の部品取り付け位置に影響するため,作業の困難さを定量化することで作業を容易にする部品取り付け位置を設計できる.そして,作業を容易にすることで作業時間を削減でき,生産性の高い組立作業順序の作成も可能となる. 本年度では,まず現実の組立型パーソナルコンピュータを利用して,部品の取り付け位置による作業困難さの評価と組立作業時間の関係を実験から調べた.作業の困難さの要因を複数導入し,組立作業に現れる作業を「挿入」と「ネジ止め」に分類し,複数の要因と作業時間のレイティング値(標準作業時間との比)を比較した.その結果,ネジ止め作業では作業の困難さの値に対してレイティング値は追従しており,困難さの定量的な判断が有効であることが考察された.一方,差込み作業では作業時間が小さいため,作業困難さや評価値にかかわれず時間の変動やレイティング値が大きくなる傾向が見られた.基本とする製品の作業に対して,部品の配置から評価される作業困難さの各項目の評価値とレイティング値をニューラルネットワーク(NN)によって関連付け,その関連付けを利用して,類似する製品における部品配置から評価される作業困難さを利用して組立て作業時間の見積もりを行った.見積もられた作業時間は実機による測定実験から得た作業時間に近似した値が得られた.この結果は,導入した作業困難さの要因となる評価値が適当であること,作業時間の見積もりが可能であることを示した.今後は,部品配置を評価する処理と作業時間を見積もる処理を組み合わせることで自動的に部品配置と部品の取付け順序を設計するシステムを開発する.
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