2009 Fiscal Year Annual Research Report
多工程組み立ての作業困難さを考慮する製品・生産設計の多目的最適化法の開発
Project/Area Number |
20510150
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
荒川 雅裕 Kansai University, 環境都市工学部, 教授 (70288794)
|
Keywords | 作業困難さ / 製品設計 / BOM / 組立作業 / 部品配置 / 作業順序 / 最適設計 / 分解作業 |
Research Abstract |
本研究では作業の困難さを評価し,製品を構成する部品の配置を自動的に設計する方法の開発を目的とする.作業者の手作業によって行われる部品組立作業に着目し,作業を困難とする要因を定量化し,作業時間に及ぼす影響から作業困難さの特徴を分析する.作業の困難さは製品内の部品取り付け位置に影響するため,作業の困難さを作業時間に関連付けることで作業を容易にする部品取り付け位置を最適化問題として取り扱う.これにより生産性の高い部品配置と作業順序の作成が可能となる. 本年度では以下の項目について研究を行った。 (1)現実の組立型パーソナルコンピュータを利用して,部品の取り付け位置による作業困難さの評価と組立作業時間の関係を実験から調べた. (2)一人屋台生産で実現した作業プロセスをライン生産に分解し,複数作業者による少数多工程作業の組み合わせにすることで作業の困難さを容易にする効果を調べた. (3)作業困難さを評価し,部品配置に対する複数の多目的問題において質の高いパレート解を効率的に計算する方法を開発した. (1)については,昨年度の実験結果の再現性を確認するため,昨年度とは異なる作業者により実験を行った.(2)については,ライン生産に変更し,一人当たりの作業数を少なくすることで業時間の削減を狙った.しかしながら,習熟効果が促進することは見られたものの習熟後は一人屋台生産の場合とほぼ一致する作業時間が得られた.この結果は一人屋台生産での作業時間を要素時間に分解,結合しても(作業順序の変更がなければ)一致することを示し,作業者の担当工程数に関係なく,作業困難さを部品配置と作業順序のみで評価できることを示した.(3)については,遺伝的アルゴリズムに単目的関数に対する局所探索法を組み入れることで,質の高いパレート解を探索する方法を開発した.本年度はこの方法を巡回セールスマン問題・配送計画問題に対して開発しており,来年度は部品配置と作業順序の情報を評価した最適化設計へ適用する方法と改良する予定である.
|