2011 Fiscal Year Annual Research Report
多工程組み立ての作業困難さを考慮する製品・生産設計の多目的最適化法の開発
Project/Area Number |
20510150
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
荒川 雅裕 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (70288794)
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Keywords | 作業困難さ / 製品設計 / BOM / 組立作業 / 部品配置 / ニューラルネットワーク / 多変量解析 / 最適設計 |
Research Abstract |
本年度は組立作業における部品配置と作業時間の関係を多変量解析により再分析するとともに,分解作業についても同様な手続きを用いて分析を行った.なお,製品として組立型PCを用いた.多変量解析によって組立作業に影響を与える部品配置の特徴を調べた.その結果,組立作業では「ネジ止め」と「挿入」作業の2つに分類することで,「ネジ止め」作業における"取り付け部品に対する障害物"や"取り付け部品の不安定さ"が作業の困難さに大きく影響することが分かった.一方で,「挿入」作業において作業を困難にする影響は"物体の不安定性"の影響が大きいことが分かったが,「ネジ止め」作業に比べて影響は非常に小さい.この結果,作業を容易にする(あるいは,困難さを軽減するには)「ネジ止め」のとくに"取り付け部品に対する障害物"や"取り付け部品の不安定さ"に着目した部品配置の再設計を行えばよいことが分かった.これにより,再設計(あるいは新製品においても)の際作業を容易にするための部品配置の方針を示した。そして,作業を困難にする要因の定量値を入力とするニューラルネットワーク法により,再設計した製品の組み立て作業時間を見積もったところ10%程度の誤差で予測を可能することができた. さらに,拡張した問題として環境と機能情報を同時考慮したモジュール化設計法について検討した.これは近年,モジュール化による組立生産が普及し,仮にモジュール化が促進できる手続きが自動化できれば本研究の価値が高まると考えたからである.モジュール化設計の方法としては,機能に関してはDSM(Design Structure Matrix)と遺伝的アルゴリズムを利用した方法で,環境情報については環境に関する指標にSOMを利用した方法でモジュール化を行い,組み合わせることで共通部分を抽出することで環境と機能を同時評価したモジュール化設計を実現した. なお,本研究で予定としている多目的アルゴリズムと上記の作業困難さの要因評価による作業時間見積もり法の組み合わせシステムの開発は現在、システム設計中である.
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