2008 Fiscal Year Annual Research Report
分布型光ファイバひずみ計測システムの高性能化とモニタリングへの応用についての研究
Project/Area Number |
20510156
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
成瀬 央 Mie University, 大学院・工学研究科, 教授 (60402690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 哲司 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50262861)
川口 淳 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50224746)
立田 光廣 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 教授 (30282445)
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Keywords | ブリルアン散乱光 / スペクトル形状 / 変形 / 不均一ひずみ分布 / 計測 / アルゴリズム |
Research Abstract |
研究を開始した本年度は、(i)不均一ひずみ分布から発生するブリルアン散乱光パワースペクトル形状を観測するための実験システムの構築と、(ii)線形ひずみ分布から発生するスペクトルの形状についての理論検討を進めた。(i)については、光偏波コントローラ挿入による安定したスペクトル観測部の構築、センサ用光ファイバに線形ひずみ分布や三角関数ひずみ分布などの不均一ひずみ分布を与えるための梁や円環の設計・製作、それらへの荷重負荷装置の設計・製作を行った。さらに、周波数シフト・ひずみ換算係数、均一ひずみ状態でのブリルアンスペクトルの半値全幅といった計測システムに関わるパラメータを求めるためのハード、ソフトウェアを準備した。一方(ii)については、ひずみ分布を与えるパラメータ(散乱光観測範囲両端におけるひずみ)、計測システムに関わるパラメータだけを用いて、線形ひずみ分布下のスペクトル形状を定式化した。さらに、非線形最小二乗法の一つである準ニュートン法を用いて、計測データを定式化されたスペクトルにあてはめるアルゴリズムを考案することによって、変形したスペクトルからでもその影響を受けずにひずみを計測する方法を開発した。梁に集中荷重という実用的条件で形成された線形ひずみ分布に対するブリルアンスペクトルの変形を観測し、この形状が理論的解析より得られる形状に一致していることを確認した。この結果は、解析結果の妥当性を示すとともに、光ファイバひずみ計測システムに共通した実用的かつ学術的に重要な課題である、不均一ひずみ分布とそれによるブリルアンスペクトル変形との関係を明らかにする上で基礎をなすものである。
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Research Products
(2 results)