2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工肺と組織細胞を用いた呼吸器・代謝系非動物実験による火災ガス毒性評価方法の確立
Project/Area Number |
20510167
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Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
小西 忠司 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00225468)
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Keywords | 火災ガス / シアン化水素 / 毒性評価 / 非動物実験 / セルライン / A549 / 高気密高断熱 / FTD検出器 |
Research Abstract |
本研究は,気密性建築物火災等で起こる低酸素濃度環境で生成する火災ガスが,居住者や消防職員に与える生理的影響をヒト細胞により構築した呼吸器・代謝系の非動物実験(in vitro cytotoxicity)において明確にし,火災ガスの基礎的毒物性(Basal cytotoxicity)の評価を行った. 火災ガス,5%CO_2,空気の3つの環境に暴露されたA549は,3日間培養し,1日毎に細胞数,生死数,細胞状態を比較した.アクリル樹脂,ポリウレタン,ABS樹脂のうち予備実験でシアン化水素を発生量が多いABS樹脂をサンプルとした.火災ガスの吐出量は100stork/min.である. ABS樹脂の燃焼により発生した火災ガスの毒性評価を目的に,ヒト細胞A549への暴露実験を行い,空気および5%CO_2環境下の培養細胞と比較した. 結論として以下のことがわかった. (1)火災ガス収集装置および暴露実験装置を製作した. (2)ABS樹脂の火災ガス成分は,H_2:0.06vol.%,O_2:13.Ovol%,N_2:82.Ovol.%,CO_2:6.Ovol.%およびHCNが含まれていた. (3)初期細胞数3×10^5cells/mlから5%CO_2環境下では3日後に3×10^6cells/mlに増加し,生存率は95%であった.空気環境下では3日後に1×10^6cells/mlに増加し,生存率は90%であった.火災ガス環境下では3日後に5×10^4cells/mlに減少し,生存率は20%になった.
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