2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510174
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
松本 健作 Gunma University, 大学院・工学研究科, 助教 (90302455)
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Keywords | 河川堤防 / 安全性診断システム / 安全性診断システム / 出水 / 振動解析 / 土砂崩壊実験 |
Research Abstract |
出水時における河川堤防の診断システム構築のための取り組みを行った.すなわち,出水時における堤体の振動を計測し,その振動が,近隣の橋梁の出水による振動の伝播による影響があること,出水時の河川構造物の振動特性診断には,従来から指摘されている風に加え,別途流水の影響の検討を行うことが重要であることを示すことができた.また,防災科学技術研究所の大型降雨実験施設を用いて降雨による土砂崩壊実験を行い,その土砂内部に加速度センサを埋設し,土砂崩壊およびその前兆現象が発生している状況下における振動特性について検討を行った。結果,加速度センサによって崩壊の約30分前にその微弱な兆候を検出することができ,破堤のモニタリングを行う上での基礎的な知見を蓄積することができた.更に,WAVELET変換による信号処理を行うことで,崩壊の早期予知や,崩壊中の土砂内部での挙動など,従来あまり得られていない様々な知見を得ることができた. 2007年中越沖地震の際には地震発生の前日までに25mm程度の降雨があり,雨水浸透場における地震となったが信濃川堤防の被災の一因と考えられる.しかし浸透と振動を同時に取り扱った検討はこれまでほとんど無い.本研究では崩壊実験において落錐実験を並行して実施し,浸透と振動が同時に発生する場における土砂挙動に対するデータの蓄積を行うことができた.結果,落錐パルスの伝播が土中水の増加によって低下すること,その低下開始時刻と崩壊の前兆現象検出時刻に相関が見られることなどを明らかにすることができた.
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