2008 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸砕波帯における海塩粒子の生成と近距離輸送モデルの研究
Project/Area Number |
20510177
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
野中 善政 University of Miyazaki, 教育文化学部, 教授 (30094080)
|
Keywords | 海塩濃度 / 塩素の欠損 / 質量密度 / 輸送・拡散 / 地形 / 植生分布 / LAWEPS / SWAN |
Research Abstract |
[海塩濃度の観測]太陽コンサルタンツ(現NTCコンサルタンツ,大分市大字畑中799-1)との共同研究として平成20年5月・9月・10月,大分県国東半島重藤・内田海岸,宮崎県佐土原海岸において,OPC・サンプラーによる海塩濃度観測を実施した.サンプラー資料の化学分析(イオンクロマトグラフィーによる)から,(1)南東風微風時に収集したエアロゾルの主成分が海塩起源であること,また(2)陸側に移動するに従い,海塩成分と比較して塩素の欠損が目立つことが判明した.さらにOPCによる粒子数データから粒子の乾燥体積を推定する解析法(湿度補正を加える)により,粒子の質量密度を推定した結果,(3)イオンクロマトグラフィーで検出した8成分(Na,Cl,K,Mg,Ca,NH_3,NO_3,SO_2)がエアロゾル質量の構成主成分であることを確認し,(4)粒子体積の距離(海岸を起点とする)依存性は粒径により異なり,必ずしも逓減傾向を示さず増加傾向となる場合があることが判明し,海塩粒子の輸送が海岸地形・建造物・植生分布に大きな影響を受けていることが推測された. [海塩粒子輸送数値モデル]局所風況予測システム(LAWEPS)の出力データを用いた海塩粒子輸送数値モデルを作成し,試行的に計算結果と観測データの適合性について検討した.植生分布の影響と慣性沈降速度を適切に選ぶことで両者が概ね適合することが分かった. [離岸堤の波浪への影響]SWANによる波浪計算を行い,離岸堤による波浪反射率と波高,波浪エネルギー散逸率の関係を調べた,強風時,離岸堤により海塩発生率が増幅する可能性のあることが分かった.
|
Research Products
(2 results)