2010 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸砕波帯における海塩粒子の生成と近距離輸送モデルの研究
Project/Area Number |
20510177
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
野中 善政 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (30094080)
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Keywords | 海塩濃度 / 移流拡散 / LAWEPS / SWAN / 一般曲線座標 / 海塩フラックス / 単純移流モデル / 濃度減少傾向 |
Research Abstract |
沿岸の陸上地形,海岸・海底地形,植生分布,人工構造物の影響を考慮して沿岸部の海塩輸送量を評価するため,LAWEPSデータによる移流拡散計算とSWANによる波浪シミュレーションを統合した数値モデルを構想した.LAWEPSデータの特性を活かすため,一般曲線座標を採用した拡散移流方程式を用い,またSWANにより求めた波浪エネルギー散逸率から海塩フラックス量を評価するため,海塩フラックス量と波浪エネルギー散逸率の関係(フラックス補間式)を仮定した. 海岸人工構造物(特に離岸堤)が沿岸付近の海塩濃度に及ぼす影響についてシミュレーションを行い,観測データ(2008年9月)と照合した結果,観測された海塩濃度の大部分が汀線・離岸堤付近で最大になる砕波から生成される海塩粒子に起源をもつこと,離岸堤は一般に汀線付近の砕波を抑制し沿岸付近の海塩濃度を減少させるが,同時により広域の海岸後背地に海塩粒子を拡散させる影響を併せ持つことなどが判明した. 海塩濃度(2008年9月,国東海岸重藤海岸)が,シミュレーションと比較し,海岸線からの距離に対して指数関数的に減少する傾向が弱いのは,前記のデータがOPC,1台の移動観測によるものであることに原因すると推定されたことから,2011年10月に宮崎市郡司分海岸において,OPC,2台による海塩濃度の同時観測を行い,濃度比と風速データの時間変動を照合した結果,海塩粒子の単純移流モデルの予測と定性的に一致することが判明した.
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Research Products
(3 results)