2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510178
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長林 久夫 Nihon University, 工学部, 教授 (70102431)
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Keywords | 強風災害 / 引き倒し試験 / 倒伏モーメント / 抗力実験 / Y字型単一樹木 / 透過係数 |
Research Abstract |
強風や想定外の暴風雨により被災する樹木や森林,果樹等の被害は増加傾向にある。しかし,複雑な樹形構造を有する樹木の抗力評価は遅れており,倒伏時の樹木に作用する流体力の評価と対策は経験的な予測の域にある。本研究は強風下の樹木の倒壊や破断や洪水時に水没し倒伏に至る樹木の抗力特性に関し,流体力を評価する現地実験と室内実験において研究を行った。 (I)樹木抗力の評価法に関する実験的検討(長林,(研究協力)防衛大学林建二郎) 樹木の抗力は樹幹と枝部,葉部で発生する抗力を合成したものである。ここでは一次枝を有する単一樹木の抗力評価に関する実験的検討を実施した。 大型可変傾斜水路に分岐角度35°の一枝を有するY字型樹木模型を鉛直軸周りに30°刻みに回転させたときの透過率と抗力との関係を力計による抗力測定と透過率の相違による後流渦との関係を検討した。本研究の主要設備の小型CCD搭載のカメラモジュールXC-555と高速ビデオカメラによる高速度画像入力システムによる表面流況のPIV解析を行う。解析ソフトウエアは現有設備のPIV「Flow-vec32」(ライブラリ社)を用いて解析を行った。一次枝の向きが流向と同じ0°と180°では,単一円柱と同じ抗力係数であったが,回転角30°,180°は最小,90°では最大の抗力係数であり,抗力は後流渦の発達に依存することを見出した。 (II)実樹木の抗力評価への応用(長林・(研究協力)国土交通省阿賀川河川事務所長) 樹木の倒伏抗力を調べるための,20年度の阿武隈川に引き続いて,樹木引倒し試験を阿賀川において実施した。荒川では松とアカシア,ミズナラの樹種であったが,阿賀川は柳の高木とアカシアであり,高水敷近傍に育成した樹木であり荒川に比較して高い倒伏モーメントを示した。
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