2008 Fiscal Year Annual Research Report
豊かな保水性のもとに植生の自然治癒力を最大限に活かす表層崩壊斜面の安定処理策
Project/Area Number |
20510181
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
辻子 裕二 Fukui National College of Technology, 環境都市工学科, 准教授 (40259859)
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Keywords | 植生シート / 根系 / 保水性 / 斜面崩壊 / 遠心法 / 強化保存剤 / 表土 / 根密度 |
Research Abstract |
表層崩壊斜面を安定させるために,近年では植物の種子と肥料が埋めこまれた植生シートを活用する工法が用いられることがある.植生シートを急斜面で施工する際,集中的な降雨があった場合等に土砂の流出に伴い植生シートに含まれる種子や肥料が流出し植生の生長を阻害し,期待する侵食防止効果や表土の流出防止効果が現れにくいことがある.このような背景から,土の間隙を保持しつつ土粒子の結合を強化させる処理剤(つなぎ安定処理剤と称する)を散布し地盤を一時的に固め,植生シートを敷いて植生の生長とともに斜面を定着させる工法を提案した.この工法の具体的効果を検証するため,本年度は,以下の試験を行った. (1)表土の流出試験 豪雨時の斜面において処理剤の散布や植生シートの有無が表土の流出に与える影響を検討するために実施した.結果,処理剤の散布によって表土の流出量を約1/5から約1/14程度に,植生シートの敷設により同流出量を最大で約1/5程度に抑えることが可能であった. (2)保水性試験 植生や処理剤の保水性への影響を明確にするために保水性試験を実施した.結果,植生シート有の方が植生シート無の場合より見かけ上の保水性は高いという傾向が確認された.なお,根密度を大きくした同試験では,より顕著な保水性の違いが確認された.また,同試験により保水性に関しては粒径の影響が顕著に現れることが確認された.
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Research Products
(1 results)