2008 Fiscal Year Annual Research Report
FRETプローブによるヒストン修飾の時間空間的分析
Project/Area Number |
20510183
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 裕二郎 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・疾患生命科学研究部, 准教授 (00311613)
|
Keywords | ヒストンメチル基転移酵素 / 脱メチル化酵素 / リジルエンドペプチダーゼ / FRETプローブ / 可視化 |
Research Abstract |
本研究は、リジン特異的エンドプロテアーゼを分子プローブとする新しいリジン修飾イメージング法を開発し、ヒストン修飾活性の時間空間的動態を解析することを目的とします。本年度は、その基盤となるプロテアーゼの生化学的特性を、選択されたペプチドモデルを用いて検証し、基本技術を確立しました。具体的には、従来より検討を重ねてきたK4メチル化ペプチドに加え、K36メチル化ペプチドについて、より詳細な質量分析及びFRETペプチドによる解析を行い、標的リジンのメチル化の有無によってエンドペプチダーゼに対する反応速度が大きく異なることを見出しました。また、エンドペプチダーゼの標的配列認識特性として同じファミリーに属するトリプシンとの共通点を見出しました。さらに、類縁エンドペプチダーゼとの一次構造の比較により、FRETプローブの配列とリジン修飾感受性を決定する上で重要となるS1ポケットを規定するアミノ酸残基を同定しました。次いで、エンドプロテアーゼを分子プローブとしてリジン修飾酵素活性を定量する方法を確立するために、ヒストンメチル化酵素及び脱メチル化酵素を合成し、これらのリコンビナント酵素でFRETプローブを処理した後に、エンドペプチダーゼによるリジン修飾の定量を行いました。その結果、ヒストンメチル化酵素処理によるFRETプローブの発光の減少と、脱メチル化酵素によるメチル化FRETプローブの発光増加を観測しました。本法は、従来のリジンメチル化定量法に比べ、操作が簡便で短時間に大量の検体を処理することが出来るため、特異的阻害剤のハイスループット・スクリーニングとして重要な意味を持っています。
|