2010 Fiscal Year Annual Research Report
FRETプローブによるヒストン修飾の時間空間的分析
Project/Area Number |
20510183
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 裕二郎 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 准教授 (00311613)
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Keywords | クロマチン構造 / ヒストンメチル基転移酵素 / FRET / リジルエンドペプチダーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、蛍光色素でラベルしたペプチド基質を用い、新たなピストン修飾酵素活性定量法を開発することです。これまでに、蛍光プレートリーダーのフィルターセットにより最適化された蛍光及び消光色素の組み合わせを検討するために、K4またはK36を含むピストンH3基質ペプチドを合成し、長波長で励起・発光するFRETペアを用いて、これまでより感度が高く、かつ細胞染色に応用した場合バックグラウンド発光の少ないピストン修飾酵素活性の定量が可能となっています。本年度は、修飾リジンの分子センサーとなるリジルエンドペプチダーゼについて、リコンビナント酵素の収率を改善するためprepeptide配列をN末端側に付加し、C末端側のHisタグを用いてNiカラムによって効率よく合成する方法を確立しました。さらに、前年度に引き続きS1ポケットの変異体スクリーニングを行い、モノメチル、ジメチル、トリメチル基質にそれぞれ選択性を有するリジルエンドペプチダーゼの変異体を得ることに成功しています。一方、基質となるヒストンペプチドについても、蛍光波長の長いFRETペアによって修飾されたペプチドの合成に成功しました。また、異なる発光波長をもつ基質を用いることによって複数のピストン修飾酵素活性を同時に定量する方法を確立しています。このようなペプチド基質とペプチダーゼの基質特異性を分子センサーとするピストン修飾酵素活性の測定はこれまでに報告がなく、今後選択的阻害剤など医薬品開発分野におけるハイスループットスクリーニングへの応用が期待されます。FRETペプチドおよびリコンビナント・リジルエンドペプチダーゼは、既に発明特許申請の学内承認を得ています。
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