2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510185
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大和 勝幸 Kyoto University, 生命科学研究科, 助教 (50293915)
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Keywords | コケ植物 / 性染色体 / 半数体 / 雌雄異株 / 基部陸上植物 |
Research Abstract |
昨年得られた約30万のEST情報を解析した。これらのEST配列はアセンブル後、約3万の配列に収束した。完全長cDNAライブラリに由来する5'および3'ESTのペア情報に基づくと、これらの配列は全体として約17,000遺伝子をカバーしていると見積もられる。これらのうち、elongation factor 1α遺伝子といった高発現遺伝子10個ではコドンの3番目の塩基にGあるいはCが出現する頻度が高くなっていた。今回得られたEST情報にゼニゴケ既知遺伝子を加えた約19,000配列に対する他生物種のオーソログあるいはオーソロググループを探索したところ、ほぼ全てについて対応するものが見いだされた。これらのうち、植物(緑藻を含む)特異的な約1,800オーソロググループについて調べたところ、それらの約半数が陸上植物に特異的であった。興味深いことに、陸上植物特異的なオーソロググループの約半数が同じコケ植物であるヒメツリガネゴケには見いだされなかった。米国Joint Genome Instituteでのゼニゴケゲノム解読が遅れていることもあり、本年度はX染色体に関する情報を得ることができなかった。しかし、新たに常染色体クローン3個の塩基配列を解読し、累積して約3.3Mbに相当する常染色体情報が得られた。この情報は性染色体特異的な構造上の特徴を抽出する際に有用であると期待される。なお、全ゲノム解読用の雌株ゲノムDNAは共同研究者よりJGIに送付済みであり、来年度中にはデータが得られる予定である。
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