2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510187
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
桑原 知巳 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60263810)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 治之 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80294669)
|
Keywords | ヒト腸内菌 / 難培養性細菌 / 菌叢解析 / ゲルマイクロドロップ法 / 16S rDNA / セルソーター / シークエンス / 多様性 |
Research Abstract |
ヒト常在菌叢の全体像は未だ明らかにされていない。特に常在菌叢の大半を占めると考えられている難培養菌の実体はさらに不明である。本研究は、ヒト最大の常在菌叢である腸内フローラを題材として、この中に含まれる難培養菌の実体を明らかにすることを目的としている。本年度は、3人の健常者より提供された便検体に含まれる細菌をゲルマイクロドロップに包埋し、フローサイトメトリーにより培養可能菌と難培養菌の2つの集団に分類した。難培養性細菌と考えられる集団を分取した後、ゲルマイクロドロップ中の菌体からDNAを精製して16S rDNAライブラリーを作製し、現在シークエンス解析を行っている。また、難培養の要因を探るため、腸内培養不能菌としてよく知られているsegmented filamentous bacteria(以下SFB)の高純度ゲノムDNAの取得に関する検討を行った。SFBは極めて長い連鎖を形成し、特徴的な形態を示すことから、顕微鏡観察下にマイクロマニピュレーターを使用して本菌を選択的に採取することを試みた。SFBは小腸粘膜に強く付着しているため、マウス回腸から粘膜上皮を採取した後、クロロホルムとDNase処理後に25μm径のガラスキャピラリーを使用し、マイクロマニピュレーターで10個から100個の連鎖菌体を回収した。これら回収菌体を鋳型としてrolling circle ampli fication法によりゲノムDNAを増幅したところ、十分量のDNAが増幅された。このDNAを用いて16S rDNAをPCR増幅後、ダイレクトシークエンスを行った結果SFBの16S rDNA配列が得られた。ダイレクトシークエンスによりシングルピークが得られたことから、純度の高いSFBゲノムが取得できたと考えられる。現在このDNAを用いてショットガンライブラリーを作製し、ゲノム配列決定を進めている。
|
Research Products
(4 results)