2008 Fiscal Year Annual Research Report
逆遺伝学的手法による食用担子菌の子実体関連遺伝子の解析
Project/Area Number |
20510193
|
Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 利次 Kitami Institute of Technology, 工学部, 准教授 (00390881)
|
Keywords | 食用担子菌 / 遺伝子 / 発現制御 / 子実体 |
Research Abstract |
本研究では、逆遺伝学的手法による遺伝子機能解析技術が確立されていない食用担子菌シイタケに関して、RNAi法による遺伝子発現抑制技術を確立することと、確立された方法による特定遺伝子の機能を解析することを目的とする。また、本研究では、これまでに申請者らが単離しているシイタケ子実体の成熟と老化に関与する4種類の遺伝子exg2(エキソグルカナーゼ遣伝子をコードし、抗癌性多糖レンチナン分解活性がある)、tlg1(エンドグルカナーゼ遺伝子をコードし、レンチナン分解活性がある)、exp1(ウシグソヒトヨタケで子実体の開傘に関与することが明らかになっている遺伝子の相同性遺伝子)、eln3(ウシグソヒトヨタケで子実体の柄の伸長に関与することが明らかになっている遺伝子の相同性遺伝子)に着目し、その機能を解析する。 本年度は、exp1遺伝子とexg2遺伝子に関して、約40 bpの短い長さのinverted repea配列が発現するようにデザインした配列をpChG'ベクターに組込んだRNAiベクターの構築を試みたが、想定したベクターの構築はうまくいかなかった。一方、別途作成したtlg1遺伝子のアンチセンス鎖を発現するベクターpChG-tlg1a導入シイタケ菌について、子実体形成させて子実体の保存試験を行ったが、少なくとも宿主株と比較して視覚的な相違は認められなかった。これまでシイタケでは、アンチセンス発現では、RNAiよりも発現抑制が弱いことが示唆されていることから、本結果もそれを反映している可能性が考えられる。そこで、構築しやすいRNAiベクターの改良に取り組み、シイタケ由来の2つのプロモータ(シイタケgpd遺伝子とras遺伝子プロモータ)で抑制遺伝子配列を挟むタイプのRNAiベクターをデザインした。現在、これに基づき構築を試みており、今後目的遺伝子の発現抑制解析を行う予定である。
|