2009 Fiscal Year Annual Research Report
逆遺伝学的手法による食用担子菌の子実体関連遺伝子の解析
Project/Area Number |
20510193
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 利次 Kitami Institute of Technology, 工学部, 准教授 (00390881)
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Keywords | 食用担子菌 / 遺伝子 / 発現制御 / 子実体 |
Research Abstract |
本研究では、逆遺伝学的手法による遺伝子機能解析技術が確立されていない食用担子菌シイタケに関して、RNAi法による遺伝子発現抑制技術の確立と、その方法による特定遺伝子の機能解析を目的とする。また、特定遺伝子としては、これまでに申請者らが単離しているシイタケ子実体の成熟と老化に関与する4種類の遺伝子exg2(エキソグルカナーゼ遺伝子をコードし、抗癌性多糖レンチナン分解活性がある)、tlg1(エンドグルカナーゼ遺伝子をコードし、レンチナン分解活性がある)、exp1(ウシグソヒトヨタケで子実体の開傘に関与することが明らかになっている遺伝子の相同性遺伝子)、eln3(ウシグソヒトヨタケで子実体の柄の伸長に関与することが明らかになっている遺伝子の相同性遺伝子)に着目し、その機能を解析する。 本年度は、RNAiベクターとして、2種類のプロモーターで目的遺伝子を挟み、それぞれのプロモーターでセンス鎖とアンチセンス鎖を発現させるベクターの構築を試みた。pChGベクター(キチン合成酵素遺伝子-chs-プロモーターで薬剤耐性遺伝子を発現し、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子-gpd-プロモーターで異種遺伝子発現を行うベクター)を基にして、gpd遺伝子プロモーターの下流に逆方向になるように2つ目のプロモーターの挿入を試みた。2つ目のプロモーターとして、gpd遺伝子、chs遺伝子(キチン合成酵素遺伝子)、及びras遺伝子プロモーターに関して検討した。その結果、これら3種のプロモーターに関しては、うまく挿入できなかった。理由としては、前2種については、pChGベクターに既に存在しているプロモーターであることなどが考えられる。そこで、現在、新規のプロモーターとして、コハク酸脱水素酵素遺伝子プロモーターのpChGベクターへの挿入を行っており、プロモーター断片の増幅まで終了した。
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