2009 Fiscal Year Annual Research Report
全ヒトタンパク質の構造・変性ドメインのアノテーション
Project/Area Number |
20510195
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
福地 佐斗志 National Institute of Genetics, 生命情報・DDBJ研究センター, 助教 (70360336)
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Keywords | 天然変性タンパク質 / 生命情報学 / アノテーション / 構造予測 |
Research Abstract |
タンパク質は構造・機能単位としてドメインを構成しており、ドメイン構成を知ることは機能を推測する上で重要である。これまでタンパク質は特異的な立体構造を作り機能すると考えられ、ドメインも構造単位として考えられてきたが、近年になって天然状態で球状構造を形成しない長大な変性領域を含むタンパク質が真核生物に多く存在し、これらのタンパク質は細胞内シグナル伝達系や、転写・翻訳制御又は細胞周期制御に関与し、その機能的重要性からも注目を集めている。本研究では、ヒト全タンパク質のドメイン・変性領域のアノテーションを行うことにより、ヒトタンパク質中の構造ドメインの数、未知ドメインの数、天然変性領域の割合、等を生命情報学的に明らかにすること目的としている。本年度は、昨年度開発した天然変性領域予測プログラムDICHOTをヒトおよびその他のモデル生物のプロテームに適用した。これに際し、前年度では転写因子に対してプログラムのチューンナップを行っていたため、全タンパク質に適用できるよう改良した。具体的には構造部位の選択基準の見直し、繊維タンパク質の持つドメインの判定の見直し、等である。これに伴い、昨年度購入したサーバ上にDICHOTシステム環境を整え、モデル生物に適用した。ヒトでは全体の35%が変性と判定された。この結果はヒトタンパク質に関して、初めて構造領域/変性領域の割合を見積もったものであり、結果は論文として発表すべく、現在執筆中である。
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